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解離性障害 PTSD・トラウマ メンヘル日記

わたしは、やっぱりあのおじさんのところに帰りたいと思ってしまう。
おじさんは、わたしが絶望の淵に立って、自分のことすら忘れてしまったときに現れて、わたしが死んでしまわないようにしてくれた。わたしに名前を与え、食事や服も与えてくれた。たぶん、最初は、ちょうどいい子を捕まえたから、買った。それだけだったのだと思う。けど、わたしが気の毒に思えて、そうして家に連れて帰ったんじゃないか、なんて考えてしまう。

わたしは性行為を強要されていたけれど、おじさんは強要しているつもりもなかったかもしれない。わたしが全く抵抗しないし、されるがままでいたから。嫌がる素振りもなかったから。わたしも強要されているなんて思ってなかったのかもしれない。なにをされているかも分かっていなかったし。すぐに忘れてしまったし。わたしはそのときのことを悪夢として、真っ黒い森の夢を見るけれど、それでも、その家にいるあいだ、わたしは自分の境遇はしあわせだと思っていた。

圧倒的に、わたしはそのとき、不幸の真ん中にいたはずだった。けれど、小さな小さな幸せだけを見つめて、おじさんが作ってくれたカップそばがおいしかったことや、かわいらしいワンピースを買ってもらったこと、それらが純粋にうれしかった。一緒に小さなお祭りに行ったことも、カフェでコーヒーを飲んだことも、純粋に楽しかった。けど、外にいるのはなんとなく不安で、だからおじさんと暮らす家にいたいと思っていた。

おじさんが出かけてしまうと、寂しくて、不安で、泣いてしまった。早く帰ってきてほしいと泣いた。おじさんが帰って来て、たくさんのキスをくれれば、照れながら笑った。

いろんなことがズレていて、おかしい空間なのに、そこはものすごく穏やかで、やさしくて、柔らかい時間が流れていた。
おじさんは、わたしを、良い子だ。と言って、わたしはおじさんを、良い人だね。と言っていた。わたしは良い人であると信じて疑わなかった。

おじさんに与えられた名前は、みどりちゃん。どこから来たのかは分からない名前。でも、わたしは、みどりちゃんでいることをしあわせであると感じていた。おじさんは、外は危険だから出てはいけないよ。と言って、わたしはそれを守った。おじさんが怖いことや怖い人から守ってあげる。と言うから、きっと強くて優しい人なんだと思った。出会ったばかりの、よく分からないわたしなんかに、こんなにも良くしてくれて、本当に良い人だ。と思っていた。たぶん、いまも思ってる。

でも、自分の感情を抜きにして、起きた事実だけを見ると、やっぱりズレを感じた。だから、認識が歪んでるんじゃないか。そう心理療法士に聞いたら、認識が歪んでいることにも意味はある。歪ませていないと心を守れないのかもしれない。そう言われた。そうかと思った。けれど、わたしにとって、おじさんと過ごした時間が、認識を歪ませていないと心が壊れてしまうほどに辛い出来事だったのかと聞かれれば、違う。わたしは、おじさんに本当に良くしてもらった。わたしがちゃんと食べないことを心配して、甘い菓子パンなら食べるんじゃないかと買って来てくれたりもした。その気持ちがうれしかったから、食べた。おじさんは、もしかしたらわたしを拾ってきてしまったことを後悔していたかもしれないけれど、おじさんとの暮らしはお互いに笑顔だった。

認識を歪ませていないと心が壊れてしまうような記憶なら、そのおじさんに出会う前の方がわたしには深刻なものだ。艶消しのシルバーのスクエア型の縁の眼鏡。そいつにレイプされた。抵抗した末に、殴られたり首を絞められたりしたから、ちょっとだけ我慢して?と言われ、我慢を選んでしまった。それでも気持ち悪くて、内臓がめちゃくちゃにされたような気もして、泣きながら抵抗した。そしたら、嫌がってないで気持ちよくなっちゃえよ。そう言われた。泣くほどよかったの?そう解放されても泣いてるわたしに言った。ころしてください。我慢を選んだのにそう言ったわたしに、俺、犯罪者にはなりたくないんだよね。そう返した。この人は犯罪者ではないらしい。泣いているのが馬鹿馬鹿しくもなった。そして、こんな扱いばかり(2度目のレイプだったから)のわたしは、強姦殺人で死ぬのが相応しいに違いない。そんな思いが湧いて、そうしてくれる人を探そうとした。そうして出会ったおじさんは、わたしに穏やかな時間をくれた。

夜中に、ものすごい寒さと暑さが交互に来たり、壁に不思議な景色が流れたり、そんな夜を過ごしたけれど、全然眠れもしなかったけれど、おじさんの家で過ごしているとき、わたしは安定していた。崩れたのは、彼女になって、そこを逃げ出して、家に帰っていると知ったとき。愕然とした。現実だ。すべてが現実だったと、重くのしかかった。

おじさんの家にいるとき、おじさんがいないあいだ、彼女の声が聞こえていた気がする。しっかりしろ! 目を覚ませ! わたしは、やーだよ。ここにいるんだもーん。と笑っていた。

おじさんのこと、本名かは分かんないけど、スズキのおじさん。どうしているのかな。いまでも、あの家に帰りたいと思うことがある。あの家で、わたしは翌朝もおじさんと暮らしているだろうこと、疑ってなかった。やってきた、わたしが逃げ出してしまった朝、その日も、おじさんが朝食を用意してくれること、一緒に食べること、疑ってもいなかった。

けど、これが、おじさんと別の世界にいるいまが、現実なのだろう。どうしようもなく、現実なのだ。
【 2021.03.14 | Comment:3 | Edit/Admin | Top▲
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